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世界一高価なコーヒーに隠されたある動物の悲しい現実

コピ・ルアクというコーヒーは、世界で最も高価なコーヒーとして知られていますが、
実はその生産にはジャコウネコが過酷な扱いを受けているという悲しい現実があります。

コピ・ルアクは、ジャコウネコにコーヒーの果実を与え、未消化で糞から排出された種子をコーヒー豆として使用します。
ジャコウネコの消化酵素の働きや腸内細菌による発酵によって、コーヒーにキャラメルのような独特の香味が加わると珍重され、1ポンド(454グラム)当たり230ドルで輸出されています。
販売価格は300ドル以上になるようです。

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このコーヒーの生産現場は主にインドネシアですが、
豆の生産を担うジャコウネコたちの環境は鶏肉工場のニワトリのケージようだと、動物福祉団体が強く警告を発しています。
野生から捕獲されたジャコウネコは小さな檻に入れられ、新たに生まれた家族とも引き離され、無理やりコーヒーの実を与えられ続けます。
何万ものジャコウネコが、過酷な環境にあります。

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2008年に50キロだったコピ・ルアクの出荷量は、09年には300キロ、10年には1.2トンと3年で出荷量が24倍に急増しています。

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「人々に、生産現場が実際どのような状況なのかを知って欲しい。その上でコーヒーを飲む気になるだろうか」
と語るのは、Traffic south-east AsiaというNGO団体地区副本部長のクリス・シェパード氏。
ジャコウネコがケージの中でひっきりなしに頭を振ったり、グルグル回ったりと神経症的な行動をしている様子も報告されています。

 

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このように採取されることの問題点はまず第一に、ジャコウネコは野生に戻ることができなくなること。
そして第二に閉じ込められたストレスのせいで精神的に病んでしまい美味しいコピ・ルアックを生成するのにかかせないジャコウネコ本来の嗅覚がにぶってしまうこと。
それによって美味しいフルーツやコーヒー豆を見分けられなくなってしまうことです。
さらに現地では一般的なジャコウネコも、種によっては絶滅危惧種のリスト入りしているものがあり、動物愛護問題や倫理的問題だけでなく環境問題につながっています。

一度人間の手によって本能を奪ったり精神的なストレスを与えられた野生動物は、二度と野生生活に戻ることはできません。
生産の裏が見えないために私たちは気軽な気持ちで購入してしまうことが多いですが、
何かを購入する前には、一度その裏側を考えてみる姿勢が必要でしょう。

コピ・ルアクに限らず、毛皮製品やペットショップ、畜産など、人間の嗜好品の裏で多くの動物たちが自由を奪われ、苦しんでいます。

なにげなく日常を過ごしているとつい自然へ意識を向けることを忘れがちですが、わたしたちは様々な生き物の多様性の中で生かされています。
そうした多様性を失うということは、巡り巡って自分たち人間へ還ってくることでもあります。

謙虚さ、そして自然や動物たちへの畏敬の念を失わないことは人として生きる上でとても大切なことだと思います。
消費の背景を知った上で、良心に問いかけながら選択していきたいですね。

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