おーい、でてこーい/Can Anyone Hear Me?【星新一】

 

中学の英語の教科書にも載っていた、SF小説作家、星新一さんの「おーい、でてこーい」。

環境保護などを真剣に考えるようになって、この物語って実は深い話で、実に的を得た話だったんだなぁって思います。


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たとえば食の問題。
動物を苦しめる【工場式畜産】によって効率化を図っているけれど、
その裏では抗生剤をたくさん打ちまくっていたり、本来体に合わない肉食をすることで癌との因果関係が指摘されていたり、
環境破壊につながっていたり。

海へ廃棄物を不法投棄する人間がいるけれど、そのゴミはナノレベルまで細かくなって魚に吸収されて
結果的に人間に戻ってきて、体内を汚染する結果になっている。

誰かや何かを汚したり傷つけたりするということは、めぐりめぐって自分自身を汚して傷つけるということだと改めて考えさせられます。

 

hoshi-shinichi

 

 


 

 

There was an old shrine in a village.
とある村に古い神社がありました。
One day a storm came and washed the shrine away.
ある日嵐が来て、神社を押し流してしまいました。

The next day people looked for the shrine.
翌日、人々は神社を探しました。
But they only found a big hole.
しかし、彼らは大きな穴を見つけただけでした。
People looked into the hole.
人々は、穴の中をのぞきました。
It was deep and dark.
それは深く暗いものでした。
Someone called into it, “Hello? Can anyone hear me?”
誰かがその中へ話しかけました。「おーい、誰か俺の声が聞こえるか?」

No echo came back.
こだまは全く返ってきませんでした。

 

 

 

A boy threw a stone into the hole.
ある少年が穴の中へ石を投げました。
He listened, but there was no sound.
彼は耳を澄ましましたが、しかし何の音もしません。

People heard about the hole on TV.
人々はテレビで穴について聞きました。
They came from far away to see it.
彼らはそれを見るために遠いところからやってきました。

One day a man said to the people of the village,
ある日、とある男が村の人々に言いました。
“I’ll build a new shrine for you.
「私が君たちのために新しい神社を建てよう。
But you must give me the hole.”
しかし、君たちは私にその穴を譲らなければならない。」
The people of the village agreed.
村の人々は賛成しました。

 

 

 

The man advertised the hole as a new dump.
その男は、新しいごみ捨て場としてその穴を宣伝しました。

People gave money to the man and dumped things into the hole.
人々はお金をその男に渡し、ものをその穴へ捨てました。
They dumped garbage, test papers, old love letters and so on.
彼らは生ごみ、テストの答案用紙、古いラブレターなどを捨てました。
Trucks came from many places.
トラックが多くの場所からやって来ました。
They dumped industrial waste, nuclear waste and many other things.
それらは産業廃棄物や核廃棄物、その他多くのものを捨てました。

 

 


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A few years went by, but the hole did not fill up.
数年が過ぎても、穴はいっぱいになりませんでした。
People stopped worrying about garbage because they now had the perfect dump.
人々は、今では完璧なごみ捨て場を持っているため、ごみについて心配するのをやめました。

The sea and sky became clean and beautiful.
海と空は清浄にそして美しくなっていきました。
The village became a city.
村は都市になりました。

 


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One day a young man was working on the roof of a new building.
ある日、一人の若者が新しいビルの屋上で働いていました。
He heard a voice from the sky.
彼は空から声を聞きました。
“Hello? Can anyone hear me?” it said.
「おーい、誰か俺の声が聞こえるか?」とそれ(その声)は言いました。

He looked up, but he only saw the blue sky.
彼は見上げましたが、しかし彼は青い空しか見えません。
He started working again.
彼は再び仕事を始めました。
Something fell down from the sky and hit the roof near him.
何かが空から落ちてきて、彼の近くの屋上に当たりました。
But he did not notice.
けれども彼は気付きませんでした。

 

It was the stone!
それはかの石だったのです。

 

 

 

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