こんにちは ♪TORAJIです。
今日は私の大好きなアニメーション作家の作品をご紹介したいと思います。

フレデリック・バックというアニメーション作家をご存じでしょうか。
日本ではあまりにも有名な、高畑勲監督が師と仰ぐ人物でもあります。

高畑勲監督は、約30年前に出会ったバック氏の作風を参考に「ホーホケキョ・となりの山田くん」を製作。
つい最近公開された同氏の作品「かぐや姫の物語」も、フレデリックバック氏の影響を強く受けているそうです。


今日ご紹介したいのが、こちらの「TOUT RIEN(トゥ・リアン)」という作品。
地球上で人間が自然や動物たちに対して行っていることが、優しいタッチでありながらも強いメッセージ性をもって描かれています。
TOUT RIEN (トゥ・リアン)(1978年/フレデリック・バック/約11分)
◆ ‘‘ 作品に込められた、自然や動物たちへの深い愛情 ’’
バック作品を貫くのは自然への愛と、環境保護のメッセージ。
かつてインタビューで「私がアニメで作品を作ったのは理由があります。地球環境保護のために何かの役に立ちたかったからです」と語った通り、強いメッセージを込めた作品作りは初めから揺るぎないものでした。
引用:asahi.com(朝日新聞社):「木を植えた男」を描いた男 – 小原篤のアニマゲ丼 – 映画・音楽・芸能



![]()
彼の右目のレンズが曇っているのは、アニメーション作品を製作中スプレーが目に入ってしまい失明してしまったからだそう。
それでも作品を作り続け、左目しか見えない状態で名作『木を植えた男』を完成させ、同作品はアカデミー賞を受賞しました。
![]()
彼は環境保護活動家であり、動物の権利活動家でもありました。
そして、その自然や動物たちを愛する心から、菜食主義でした。
彼は生前よく、「動物は私の友達であり、私は友達を食べない」と言っていたそうです。
そして、動物を保護する団体も設立していたようです。
参考: Wikipedia
”Frédéric Back was a vegetarian and animal rights activist. He often said: “Animals are my friends and I do not eat my friends”. He gave conferences on the subject and participated in demonstrations to support animal rights. He founded “Société Québécoise pour la Défense des Animaux”, a society to protect animals. ”



「アニマルライツ」とは、Animal Rights=「動物の権利」、
人間が生きる権利を侵されるべきでないように、動物には人間から搾取されたり残虐な扱いを受けることなく、それぞれの動物の本性に従って生きる権利があるとする考え方です。
そしてアニマルライツ活動家は菜食主義であることがほとんどです。
日本では、菜食主義というと短絡的に「植物も命だろう」と批判の対象となることが多いですが、
個人的には、猫と犬には保護される権利があり、牛や豚にはその権利はない、
犬猫は人間同様に権利があるが、家畜は野菜と同類である、という考え方は、そちらのほうが不自然といえば不自然なような気がします。
肉食は「間接消費」といって、家畜を育てるために多くの穀物を与え、
さらにその家畜を育てるために大量の水を消費したり、飼育のために膨大な土地が奪われてしまうことから、様々な環境問題にも深く関係しています。
自然をこよなく愛する彼が菜食主義であったのは、地球への深い尊敬や感謝、同じ地球上に生きる動物たちへの深い愛情があったからでしょう。
そうした彼の思いが、優しいタッチでありながらもメッセージ性の強い、独特の作風に表れているように思います。


<収録作品>
1.アブラカダブラ(1970年/約9分)
2.神様イノンと火の物語(1972年/約10分)
3.鳥の誕生(1972年/約10分)
4.イリュージョン?(1975年/約12分)
5.タラタタ(1977年/約8分)
6.トゥ・リアン(1978年/約11分)
7.クラック!(1981年/約15分)
8.木を植えた男(1987年/約30分)
9.大いなる河の流れ(1993年/約24分)
<映像特典>
●特別インタビュー:フレデリック・バック/高畑勲
●予告編