意外と知らない、料理と視覚の深~い関係。
実は「おいしい!」と感じるのは、味覚よりも視覚による影響のほうが大きいのです!!
[★]日本料理の中でも、会席料理は、現代の芸術作品だ、と海外でも評価されています。
目で楽しむために、器にも季節を表し、桜の季節には、桜の花びらや、秋にはもみじの葉が飾られたりします。
お椀の蓋の裏側には、美しい絵があり、
「まぁ!こんなところに!」と、食べる前から、驚きや心躍らせる工夫がたっぷりです。
実は日本料理は、フランス料理に大きな影響を与えています。
「ヌーヴェル・キュイジーヌ」(=薄い味付けで、素材を大事にし、繊細に盛付け、量も減らし、器にも凝る)を発案した、ポール・ボキューズという方は、日本の吉兆など有名な会席料理を味わった際に、その盛付けなどに着想を受け、現在のフランス料理になったと言われています。
彼のレストランは、この着想を得た頃からミシュランの3つ星を、40年間とり続けています。
また、寿司屋のにぎりには、セットの中に必ず入れるべき色というのが、5色あり、「白・赤・緑・黄・黒」だそうです。
食欲をそそる色の他に、料理全体を引き締めるための「黒」も重要な要素とか。
[★]美味しさの記憶と視覚
「目」つまり「視覚」に重きを置いている日本料理は、食べるための準備に、重要な情報を「脳」に与えているのです。
目を閉じて食べた時に、あなたは正確にその食べ物を言い当てることが出来ますか?
実は、視覚の情報がなければ、約8割の食べ物の情報が失われたのと同じことになります。 (目を閉じて食べた「ゆでたレンコン」を「ジャガイモ」と答える子供も居ます。)
私達は、目で捉えた情報により、 食べ物を認識 → 過去の食べ物の情報検索 → 予測 → 受け入れ準備 → 各種体内にて、ホルモン分泌や消化酵素の準備 などのように身体全体が、視覚情報からスタートし、受け入れ体勢を調えていくのです。
「わぁ!美味しそう!」と皆さんが、感じるのは、以前に美味しかったという記憶に残っている情報検索と、今、目の前にある料理を比較し、その時の美味しさより上回るかを予測し、視覚によって得た美しさにより、「きっと美味しいはず!」と認知しているのです。
引用元:料理は目で食べている? | 栄養士・調理師・製菓衛生師の学校:兵庫栄養調理製菓専門学校
五感による知覚の割合は 視覚器官が83%、聴覚が11%、臭覚3.5%、触覚1.5%、なんと味覚は1.0%、なのだそう。
いかに人間の味覚が曖昧で、視覚による影響が大きいかをうかがい知ることができますね♪
カフェに行って食べたお料理を、同じ料理本で買って作ったらなんだか味が違って感じたり、 お店の雰囲気や色彩によって味も違って感じたりすることがありますよね。
それは料理のテクニックだけが理由ではないのかもしれません。
[★]美大卒の料理研究家ericoさんのオススメ料理本♪
Choice Vegetarian Cooking ericoのようこそベジタリアン・クッキングの世界へ
ヒトは見た目で、「色を食べている」。
食事の満足度は、食空間70%、食卓25%、皿の料理5%といわれており、これはカラーコーディネートの理想的な面積比と同じです。
青い色は食欲を抑える働きがあることも有名ですが それだけ、色彩や見た目が私たちの食欲や感覚に与える影響は大きいということですね♪
お料理をするときには、絵を描いたりお洋服のコーディネートをするのと同じように、愛情を込めて色彩や器にも気を遣ってみると、
グン!とお料理の腕が上がったように見せたり、
「おいしそう!!私も作ってみたい!」とみんなに思わせることができるかもしれませんね♪