エコ

有機栽培の落とし穴と自然則

 

昨夜はお世話になっている21年間自然栽培を行っている仲岸さんから肥料についてお勉強させて頂きました。

私がお勉強させて頂いている仲岸さんの畑は肥料も使いませんが、
【有機栽培】【オーガニック】の表記のあるお野菜なら安心で地球に優しいと思ってらっしゃる方も多いことかと思います。
私もずっとそう思っていました。

しかし有機栽培といっても、認可された農薬を使用していたり、
肥料に牛糞や鶏糞を使っているところはとても多く、
これら動物性の堆肥は土の窒素の含有率を高めてしまい、症状としては、葉の色が濃くなって、やたらに大きくやわらかめの葉ややわらかい茎になります。

また、窒素過多の植物はアブラムシなどの発生も多くなり、
害虫の総攻撃を受けたりします。
作物にもよりますが、芽の先端・中心部はいくらか色の薄い緑になっているのが理想ですが、窒素過多の場合は芽の中心も濃い緑になります。
スーパーのお野菜や有機野菜でとても色の濃いものがありますが、
あれは窒素の含有率が多いためだそうです。

窒素過多の状態で育った野菜は、苦みが強かったりします。
これは植物の中に、硝酸体窒素が集積しているせいですが、
この硝酸体窒素はあまり人間の体にとってよくない物です。
植物の成長に必要な栄養素として特に窒素、リン酸、カリウムが、三大栄養素として挙げられます。
このなかで窒素は、主に硝酸態窒素(硝酸イオン、NO3-)として植物に吸収されます。ヒトをはじめとする多くの動物が多量の食物を摂取した際に、飢餓状態に備えて余剰の栄養素を脂肪として体内に蓄積するように、植物は過剰に摂取した硝酸態窒素を、栄養素を吸収できない場合に備えて蓄えます。
従って化学肥料、有機肥料を問わず、多くの肥料を与えて栽培した野菜には、多くの硝酸態窒素が含まれます。

硝酸態窒素は還元反応によって亜硝酸イオンに変化します。
さらに亜硝酸イオンは脂肪族アミンと反応することでニトロソアミンになります。亜硝酸イオンは血中のヘモグロビンに作用することによって酸素運搬機能が欠如したメトヘモグロビンを生成し、メトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群)の原因となる可能性があります。

また一部のニトロソ化合物は発ガン、肝障害、生殖機能の障害といった健康被害を引き起こすと考えられています。

 

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問題は、野菜に含まれている硝酸態窒素がどのくらい亜硝酸やニトロソアミンに変換されるか、
そしてこれらの物質がどれくらい病状の発症に寄与するかという点についてですが、
硝酸態窒素の人体に対する影響は50年以上研究されていますが、人体における硝酸態窒素の代謝を完全に明らかにすることは非常に困難で、硝酸態窒素による健康被害の有無は、研究者の間でも意見が分かれるところです。
欧州では健康被害の可能性を危惧し、ほうれん草やレタスに含まれる硝酸態窒素濃度を規制する一方で、日本の農林水産省では健康被害の確たる証拠がないとして、特に規制を設けていません。

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健康被害のみならず、流れた窒素は河川や海など水質汚染にも繋がっています。
農薬・肥料で土壌の微生物のバランスの崩れた土は、いい状態になるまで作物によってばらつきはありますが、米で最低5年はかかるそうです。

仲岸さんは農業塾で多くの生徒さんに自然栽培の指導をしておられますが、
これまで農薬・肥料を使用していた畑を自然栽培に切り替えようとした場合、1年目の土壌は前年の農薬などが残っているため雑草や虫の発生もありません。
問題は2年目、3年目で、農薬や肥料を浄化しようと多くの虫や微生物たちが出てくるため、
雑草がたくさん生える、作物が育たない、虫が大量に発生する、といった状態になります。

木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」をご覧になった方ならばおわかりになられるかもしれませんが、一切作物の収穫できない状態で生活していくというのは困難で、
兼業農家の多い日本でもこの2年目から自然栽培に挫折してしまい再び農薬の使用を始める方が多いとのことです。

 

どうすればこの現状を変えていけるのか・・
昨晩ずっと考えていましたが、やはりひとりでも多くの人が農業の重要性を見直し、
自らの手で小さなお庭ででも無農薬・無肥料で自分で作物を作っていくような家庭菜園の普及をしていくこと、農業の楽しさを伝えていくことかなと思いました。

うちの畑では動物性肥料は一切使用していません。
これはアニマルライツの観点からでなく健康や環境保護の観点からですが、
抗生剤などを使用し畜産の効率化を求めた結果、最終的には肥料を通して野菜に硝酸態窒素という形で人間の健康被害として還ってきているという事実。
ここでも返報性の法則といいますか、地球の自然則や生命倫理に反した行為のツケは必ず自分に還ってくる、ということを改めて感じます。

今は毎日ハウスの自然栽培稲の赤ちゃん(もちろんF1種ではなく自家採取の種です)に朝夕2回の水やりをしていますが、
だいたい一回で1時間ほどホースで水を出しっぱなしの状態になります。
お米ひとつとっても本当にたくさんの水資源を使っているんだなぁと、毎日身をもって感じています。

肉食はこうしてたくさんの水資源、作物を大量に動物に与え、その動物を食するというとても地球環境への負荷が高い行為です。

生命倫理、環境保護、健康、平和、スピリチュアル、どの角度から見ても、自家菜園、自然栽培、菜食が最も自然の法則にかなっているなと感じます。

 

地球と身体に優しいものを広めたいという想いで、
動物性堆肥・農薬・肥料等、21年間一切不使用の自然栽培のお米やお野菜の販売も行っています♪

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